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テストステ論

高テス協会会長が, テストステロンに関する情報をお届けします.

囲碁13路盤を普及させる動きがある

https://readyfor.jp/projects/igo13ro

囲碁普及に活動されてる政光氏が, 一流プロ棋士による13路盤トーナメントを開くためにクラウドファンディングを募集した. 予定の300万はすでに超え, 開催されることが決定した. 素晴らしい. 私も微力ながら賛同させていただいた.

氏はGO ARK(ジーオーアーク)の開発者でもある. GO ARKは, 囲碁におしゃれ感をミックスするための試みである. カフェやバーなどにGOを普及させることを青写真としている.

http://www.amazon.co.jp/GO-ARK-%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AF%EF%BC%89-%E6%96%B0%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3-%EF%BC%99%E8%B7%AF-%E5%9B%B2%E7%A2%81%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88/dp/B00DVDWHEA

N路盤というのは, 縦横方向にそれぞれN本の罫線があり, その交点に石を置けるというものである. なので単純にいうと, 19路と9路では, 19!と9!の違いくらい拡がりが違う. AIが将棋やチェスではプロレベルになったが, 囲碁19路ではそこまでいかない理由はこの探索空間の大きさにある. 私の知る限りでは, AIは一流プロに4子程度まで迫ったが, ここからさらに詰めていくのは地獄の苦しみがあるのではないかと思う. 私は, グーグルやIBM囲碁AIに挑戦してくれると, 一気に飛躍があり得るのではないかと期待している.

一般的に囲碁と言った場合, それは19路盤を意味する. ヒカルの碁に出てくる碁盤はすべて19路であるし, 世に存在する布石や定石というものは私の知るところすべて, 19路における実績を前提として構築されたものである. プロの対局は基本的に19路で行われ, 他には9路がお正月の特別対局で打たれるくらいであり, 9路は基本的には入門者のおもちゃという見方をされる. その下には5路盤というものがあるが, もはやこれは盤は存在せず, 完全に読み切るための頭脳パズルの域である.

なぜ19路盤が好まれるかというと, 囲碁の魅力自体がその拡がりにあるからである. 人生のように無限の選択肢があり, 局所的には読み切れることたくさんあるが, 大局的な判断となるとプロの棋士でも好みの問題といったレベルで分かれてしまう. 今日はなんとなく厚く打ちたいから厚く打つと言った気分による判断になることもある. ビル・ゲイツをはじめ, 会社の経営者や政治家には囲碁ファンが多いと言われるが, これは彼らが日常において重要な「判断をする」という行為を, 囲碁の中にも見出していることが一因である. 私の親戚には会社経営者がいるが彼もまた 人生は判断の繰り返しであるという考えを持っており, 私が日立を辞めた時にはあっさりこう言った. 「それが輝の判断ということなんだな」. 私はこれからも判断を続ける. 囲碁は右脳に良いなどということが言われるが, これは判断が視覚に依存した感性によるところが多く, 「右脳は感性を司る部位である」という言説から導出されたものであると考えられる.

ここまでで,

  • 碁は19路が基本である.
  • 碁は判断が重要なゲームである.
  • 9路や5路と言った小さな盤はおもちゃの範疇である.

と述べた. 13路の話は一度も出てきていない. 13路盤とは一体何なのだろうか?

氏は19路盤と9路盤に以下のような長所/短所を見出している.

19路:

  • [長所] 碁盤が広く. 碁の本当の楽しみを味わえる.
  • [短所] 対局に時間がかかりすぎる. 社会人になってから碁を辞めてしまう人が多いのは, このせいではないか?(私はこの点に特に納得した)

9路:

  • [長所] すぐに終わる.
  • [短所] さすがに狭すぎる. 布石という概念があまりなく, いきなり戦いが始まる. これでは碁の本当の良さが出ない.

19路盤の長所/短所は, 9路盤の短所/長所と概ね一致する. 13路盤は双方の長所を絶妙なバランスでミックスしている可能性があると氏は考えていて, 13路盤が碁と呼ぶに十分値するものであることを一流プロに打ってもらうことで実証するというロジックなのである.

私はこれに加えて, 13路盤ならばコンピュータが人間の頂点に匹敵するのではないかと考える. ぜひこの次は, 13路盤でAIと対戦して欲しい.

なかなか面白いプロジェクトであると思うので, 紹介した.